私自身が初めて海外発券をしたのはSFC・JGCを取得しようと思った10年以上前のことで、今では当たり前のように海外発券をしていますが、JWGオフラインセミナーの懇親会にて「海外発券ってどうするんですか?」、「海外発券って何がいいんですか?」と聞かれる機会がありました。
相談された方の話を伺っていると海外発券に対して疑問や不安などがある一方で、何やらお得らしいという狭間で悩んでいるようでした。これを受けて海外発券の基本からメリットなどについて、簡単に解説をしてみようと思います。より実践的な航空券の組合せなどは、また別の記事にする予定です。
海外発券って何?
海外発券は、同じ航空会社・同じ路線でも発券する国によって価格や条件が大きく異なるのが特徴です。これは、各国の物価や為替、航空会社の価格戦略、税金の違いなどが影響しています。航空券の価格高騰や円安が進む中、少しでも旅費を抑えたい人にとって海外発券は有力な選択肢になります。ネット予約の普及で、誰でも比較的簡単に海外発券を利用できるようになりました。
日本でよく聞く海外発券の定義は、日本発券との対比で使われることが多いことから、日本以外の国・地域を発券地とした航空券を購入することを指すことが多いです。しかしながら、これに類する海外発券の定義自体に大した意味はなく、本質的に大事なことは、①出発地と到着地を入れ替えること、②出発地または到着地をずらすことで航空券の運賃が大きく異なることを認識することです。
①出発地と到着地を入れ替える
プレミアムエコノミーの東京発バンコク行き(日本発券)は268,280円ですが、バンコク発東京行き(海外発券)は183,057円(THBのレート:4.508円)と単純に出発地と到着地を入れ替えるだけで差額が85,223円も発生し、日本発券より海外発券の方が安いことがほとんどです。

②出発地または到着地をずらす
エコノミーの東京発サンフランシスコ行きは270,160円ですが、出発地を香港にずらして香港発で日本を経由してサンフランシスコに向かう場合は219,394円(HKDのレート:18.67円)となり、東京発サンフランシスコ行きに香港の往復分がセットになっているのに50,766円安く購入できます。
香港発券のプレミアムエコノミーは317,794円となっており、日本発券のエコノミーの270,160円との差額が小さいこともポイントで、より上位の座席クラスが日本発券より安く購入できます。


出発地または到着地をずらすと表現しましたが、経由便とすることで安くなるとも言えます。日本からの欧州行きで直行便よりカタール航空のドーハ経由便等が安いのと同じですね。
海外発券のメリット
ビジネスクラスなどが安い!
海外発券の最大のメリットは、航空券が日本発よりも安くなる可能性が高いことです。また、マイルやステータスポイントが貯まりやすい予約クラスを選びやすい点も魅力です。
予約変更などが柔軟!
日本発券で最も安い航空券を購入すると予約変更ができないというのが一般的です。一方で、海外発券は安いだけでなく、予約変更やストップオーバー(途中降機)のポリシーが緩いことが多く、急に旅程を変更したくなった場合などに旅程の自由度が増します。
国内線区間が安い!
下図の例では、ソウル発東京行きの単純往復が60,018円(KRWのレート0.107円)に対して、国際線は全く同じ便に羽田発那覇行きの国内線区間の往復が追加になった場合でも61,429円(KRWのレート0.107円)と差額がわずか1,411円です。
国内線予約で羽田発那覇行きを購入すると安い運賃でも3万円程度はしてしまうので、この差額で予約できるのはだいぶお得ですよね。いわゆるハイシーズンの時には国内線予約ではもっと高額になってしまいますが、国際線乗継における国内線区間の金額はシーズンの影響を受けません。
用語自体にあまり意味はないですが、国際線の乗継として国内線をセットで購入することを国内線切り込みと言ったりします。

海外発券のデメリット
現地に行く必要がある
海外旅行は数年に一度など旅行頻度が低い方にとって最もハードルになるのが、海外発券するためには必ず出発地である海外に何らかの手段で行く必要があることです。
海外発券を継続的に行う場合は、LCCや特典航空券の片道航空券で出発地に向かうのが一般的です。
最初や最後の区間を捨てられない
海外発券固有のデメリットではないですが海外発券が安いからと言って香港発(日本経由)サンフランシスコの往復航空券を発券して、1区間目の香港ー日本の区間を乗らずに2区間目の日本ーサンフランシスコ便に乗ることはできません。また、3区間目のサンフランシスコ-日本で帰国したからと言って第4区間の日本ー香港を捨てることはできません。
同様に、往復運賃の往路だけ利用して、復路を捨てることもできません。
全区間搭乗することを前提として安い運賃が設定されており、意図的に最終区間に搭乗しない場合はペナルティが発生する場合があります。ペナルティは様々ありますが、今後その航空会社を利用できない、いわゆる出禁などがあります。
海外発券が安い都市
アジア圏であれば、ソウル、台北、香港、バンコク、クアラルンプール、シンガポール、コロンボなどが有名です。これらの都市を出発地にすれば必ず安いというわけではなく、航空会社や到着地等の組合せで変わります。
2015年ごろは北米に行くなら香港発券が安かったり、伝説の修行ルートOKA-SINとの組み合わせでシンガポール発券が流行ってました。その数年後にはシンガポール発券のうまみが小さくなり、クアラルンプール発券が流行ったように時代の流れとともに安い発券地は移り変わってきました。

時の流れとともに変わってしまうこの都市が安い、このルートがお得というような知識自体に意味はなく、そういった都市やルートの探し方の知恵を身に着ける方がずっと大事です。
安い航空券の探し方
Google Flightsは、フライトのお得な情報を見つけるためのお気に入りのツールの1つです。驚くほどパワフルなフライト検索エンジンで、使いやすいのが醍醐味です。
Google Flightsは、Expedia、Tripadvisor、Kayak等のようなオンライン旅行代理店(OTA:Online Travel Agent)ではないため、利用可能なほぼすべてのフライトが表示されますが予約する必要はありません。
基本的な検索方法
以下の項目を入力して、青色の探索ボタンを押すだけなので迷うことはないと思います。
- 出発地
- 目的地
- 旅行の日付
- 往復フライト、片道フライトまたは複数都市旅行
- 乗客数
- 座席クラス(エコノミー、プレミアムエコノミー、ビジネスクラスまたはファーストクラス)

条件を設定して検索すると、価格、ルートの利便性、停留所数、移動時間などの要因の組み合わせに基づいて、Googleが最適なフライトと見なすものが自動的に表示されます。もちろん、これらはあなたにとって最高のフライトかもしれませんし、そうでないかもしれません。
フィルター機能
検索の結果、選択できる選択肢が100を超えることもありますが、フィルター機能を使うことで効率的に条件に合うフライトを見つけ出すことができます。検索をフィルタリングする方法は、私がよく使う経由地数、航空会社や時刻以外にも手荷物、乗継地、移動時間など多数あります。

経由地数フィルタ
直行便を除外して安い経由便を検索したい場合に経由地1か所まで、または、経由地2か所までを選択します。

航空会社フィルタ
航空会社のフィルタでは、チェックボックスをオンオフするだけでアライアンス単位で検索できるのが便利です。下にスクロールすると航空会社単位で検索することも可能です。

時刻フィルタ
往路、復路でそれぞれ出発時刻と到着時刻を幅で指定することができます。海外で乗継便を検索するときにバンコクに15時着だから17時以降のフライトを検索したい場合などに有効です。

最安値の日付を検索する方法
おすすめの往路便の右下にある日付グリッド、または、料金グラフを利用します。

日付グリッド
日付グリッドオプションをクリックすることで、最安値の日付が緑色で表示されます。出発便と到着便のオプションを並べて、最もお得な日付が見つかるかどうかを簡単に確認できます。

料金グラフ
料金グラフオプションをクリックすると、棒グラフで価格の安い旅程を確認できます。

複数の都市を一度に検索する方法
特定の日付(たとえば 10 月の第 2 週)に旅行に行きたいけれど、具体的な行き先は決まっていない場合は、Google Flightsのオープンエンド検索機能を使用して、お得な航空券を見つけてください。
下図の例では、10月の連休を選び、出発地をバンコクに設定し、目的地は指定なしに設定しました。地図上で各都市への最安値が確認できます。

下図の例では、バンコク発台北行きを選択したものですが、選択した航空券の最安値が通常時と比較して高額であることが確認できています。

